2012年7月29日日曜日

多古祇園祭

とうとう夏祭りが始まった。
1年間、町のみんなが待ちに待った、町最大のイベント。

新町、仲町、本町、高根の4町が山車を引き出し、町内を練り歩く。

多古町の山車には、上座という2階席で、踊りを披露する和服姿の女性達と、下座という1階席で、お囃子を演奏する笛太鼓の演奏者たち総勢約20人位が乗り込む。

その山車を、子供たちが、紅白縄で前から引っ張り、若衆が後ろからタックルのように揉みあいながら押し合ていく、それが動力源。

車輪部分は、ハンマ(半間)と呼ばれ、山車とハンマの間に、テコ(約3m程度の木棒)を差し込んで、腕力でハンマの向きを変えて操舵するのだ。

初日(7/25)の午前中は、神社を参拝し、祭りの安全を祈る。
まずは大宮神社というちょっと高台にある神社へお参り、そして踊りの奉納。
そのあと、町の中にある八坂神社へお参り。

今年も安全に楽しく祭りができますように。

午後は、山車を引き出し、威勢の良い掛け声粗く、町へ繰り出す。
テコ操舵は毎年俺の役目。
かれこれ30年くらいやってる・・・
後継ぎがいないんじゃなくて、面白くってやらせないってのが正解。
でも、操舵するのは2名ペアで、この二人の意気が合わないときちんと曲がらない。

今年のテコは、俺と食堂の親父さんのコンビ。
俺はテコを親父さんに教わり、その親父さんは、俺の親父に教わったそうだ。
つまりは師弟コンビ。

意気はバッチリ合うんだけど、今年のハンマの切れ方がいつもより鋭角に曲がる感じ。
いつものタイミングで切り出すと曲がり過ぎちゃう。

師弟コンビなのに、さっそく、上手く曲がれず山車を後退する羽目に。
俺に至っては、後ろから酔っぱらいの親父(通称籠やのヨっちゃん)に抱きつかれ、コケて山車を急停車。
夜では、相方が替わって、俺がいつも組んでいるペア(通称チャーミー)との連携では、相方が2回もテコを落とし、急停車。

もっとも、チャーミーがテキーラを飲み過ぎたせいってものあるが・・・・
しかし、難は続く。

翌日は、俺が会社でいない間、チャーミーと俺の代打のペアで山車自体がぶつかり、急停車。

こりゃ絶対、山車に対するお浄めが足らないせいだ。

今年は、警察が町最大のイベントに対し、縦割り社会で対応するもんだから、結構避難轟々。
しかも、夕方に起こった事故のせいで、夜祭を禁止するとまで・・・

結局、町の顔役である食堂の親父さんが駆けつけ、苛立つ山車同士の若衆と、警察をうまく抑えて、夜祭再開に。

もともと、祭りって、町の復興や発展・収穫や安全祈願のため、官民が合同になって行なっていたもの。
その官が、民と一線を引きたがる。
そんなんじゃ、いつまでたっても平行線。

皆が刀を抜いてチャンバラの大騒ぎのなか、ひとりで乗り込み、皆を収めることって中々できるもんじゃない。
でも、親父さんはいつも颯爽とやってのける。
誰より優しくて強くて頼もしい存在。

え?颯爽じゃない?
コワいんだって?

否定・・・・できません・・・・

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