2011年3月13日日曜日

東北巨大地震①

3月11日(金)午後2時
成田を午後2時のリムジンバスで出発し、羽田帰社。
到着は3時予定。
さて、ちょっとひと寝入り・・・ZZZZZZ

ZZZZZZ

?誰かが俺を起こしてる。

だれ?

あれ?

バス全体が揺れている。

ここはどこ?
羽田第1旅客ターミナル前に到着したバスが縦にhop しはじめる。

こりゃただ事じゃないぞ!
ターミナルから沢山の人が道路へ逃げす・・・

窓から見る景色が異常に揺れている。
車の中も、停まっているはずのバスで、人が上下に飛んでいる。

地震だ!でかい!

同日 午後3時05分
急いでバスを降り、揺ら揺らと安定しない床を走ってターミナル内の案内事務所へ駆け込んだ。
スタッフ全員が、鳴りまくる電話と格闘中。

旅客の安否確認、施設の安全確認
避難通路確認、避難場所確保
食糧確保
トイレ排水確認

交通網の情報収集

地上交通が途絶えた羽田空港
同日 午後6時30分
社員全員で力と頭を合わせて協力しあい、すべての安全を確認。

同日 午後7時
お客様への情報提供・・・

同日 午後9時
上空に30機飛行中。うち10機が羽田着を希望。
都内の交通は、JR、バス、モノレール、地下鉄、全ての交通網が遮断。
第1旅客ターミナル 残留者推定3000人、第2旅客ターミナル 残留者推定10,000人
特に2ビルはキャパシティーを倍近く超えている。


TVで様々な映像を見る。
町が波にさらわれていく・・・・
仙台空港にも津波が襲っている・・・

なんだか地獄絵図のよう・・・
途中、実家や弟に何度も電話するが繋がらない。
とりあえず「自分は大丈夫です」メールを打つ。
母親と弟が心配。

同日 午後10時15分
空港残留者のため、毛布・非常食の準備。
社員全員で協力し合い、旅客の皆さんへ配布。
リヤカーや台車で運ぶが、非常食がとにかく重い。
5500人分の備蓄は相当な量・・・




弟から返信メール

実家へ急行し母親の安全確認。
実家は停電、水道破裂、家具倒壊。
一旦弟の住むマンションで預かってくれるという。
うれしい。


3月12日(土) 午前0時45分
配布終了。
腕がパンパン、足はガクガク。

さて、ちょっと一息休むか・・・・
と思ったら、タクシー乗り場が人であふれかえっている。
寒い中、体を震わせながらタクシーを待つのは忍びない、という先輩の意見に同調し、皆でタクシー乗り場へ急行。

3月12日(土) 午前1時
タクシー利用者はターミナルビル館内で並んでいただき、社員がタクシーを捕まえ次第、館外へ案内する。
てことは、社員は寒い中ずっと外で立ちっぱなしか。

ま、旅客のためだ。
笑顔で頑張ろう。

しかし、タクシーが全然来ない。
高速道路に亀裂があるかもしれないため、確認作業含め全面通行禁止。
だから、皆、下道をひたすら走ってくるらしい。

しかも都内大型JR駅(新宿、渋谷)も同様にタクシー希望者で溢れかえっているため、羽田まで来れないのが現状・・・

同日 午前2時
タクシー運転手に都内の情報を聞く。
羽田から品川まで2時間!
タクシー仲間の無線情報によると、成田や茨城方面まで8時間!
この時タクシーは30分に1台。
乗車待ちは200人。

相当に厳しい状況。

同日 午前2時35分
待ちぼうけとなって苛立った旅客数人がクレーム。
「いったいどうなっているんだ!」「なぜ来ない!」

携帯の緊急避難メールが鳴り出す。

長野で震度7!?

怒っていた客の顔つきと話し方が一変。
「日本はどうなっちゃうんだ!!」
「怖いよー!」
慌てて館内に戻る・・・・

同日 午前4時
並んで待つ旅客の列はまだまだ解消しない。
社員たちの体が凍る・・・

同日 午前4時30分
タクシーが続々と羽田へ。
本日早番のスタッフたちがタクシーで都内から集まってきてくれた。
そのタクシーを旅客へ案内。

同日 午前5時
後輩たちが駆けつけ交替。
ありがとー!

一旦事務所に戻って、1時間仮眠。

同日 午前7時
他空港から羽田に着いた旅客が案内所でごったがえす。
皆、羽田や都内の状況がわからないため、案内に時間がかかる。

「どうしても東京ディズニーランドへ行きたいんです!」
「暫く休館ですから、近辺ホテルで休まれたほうがいいですよ」
「え?東京も地震が凄かったんですか?」

「なぜバスが出ない!」
「地震の影響で通行止めです」
「阪神大震災みたいになったのか?」
「いえ。そこまでは・・・」
「じゃ、走らせろ!」
「阪神大震災の経験があるから、走らないんです。お客様の安全確保のためなんです」

「どうやったら一番早く成田へいけるのか」
「すべての交通網が遮断されていますので、どれが早いかはわかりません」
「ハワイに行けなくなったら、おまえどうする!」
「その前に日本が壊滅的になったら、お客様どうします?」

もう、ハチャメチャ。
半分パニック、半分私利私欲。

お客様へ対応しながら、「あれ?自分だって成田へ帰れるのか?」

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