年齢が経つと、年1回の人間ドックは欠かせなくなってきた。
車でいう車検みたいなもので、ポンコツになってきた身体をきちんと整備点検しないと、安全運転さえ出来ない。
ということで、明日人間ドックを受けることになった。
事前準備として、検便と検尿を採取する。
検便と言えば、自分が幼いころは専用の白くて丸い容器がなく、マッチ箱に取って専用の紙袋に入れ学校に持って行った。
小学校の低学年、保険委員であった俺はクラス全員の検便を集めて保険の先生に届ける役目を仰せつかったが、1人だけ、そう、郡〇君だけ大きな手提げ紙袋で持ってきた。
預った瞬間「ズシリ」と重く、なんでこんなに重量があるのか子供のころはよくわからないまま、先生に届けた。
保健室で「それ」を渡された保険の先生が、?と首をかしげながら紙袋を覗き込むと、金物の弁当箱が入っていた。
保険委員の我々も輪になって先生の挙動に注目する。
ゆっくりと取りだされた鈍いシルバーの弁当箱。
なぜ?弁当箱なのだ?
両の手で机の上に置かれ、蓋が開けられる。
まるで、クリスマスプレゼントを待つ子ども達のような雰囲気・・・・
空けた瞬間、それが恐怖に変わった。
長ナスみたいな大物が寄り添いながら2本入っていたのだ。
その横には真ん中でくの字に折れた割り箸が・・・・
努力して入れた形跡が箱の縁にもうかがえる。
息を呑みこむ、という表現を知ったのは、その時だった。
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