猫を膝に、幼稚言葉でおもちゃを走らせる
老いとともに痴呆が加速しながら
様々なものを失っていく
気丈さ、強さ
頑張り
自分の行動や伝えたい言葉さえ失っていく
障子の閉め方が分からない
袋の開け方がわからない
照明のスイッチがわからない
トイレがわからない
着替えがわからない
穏やかに、春の陽だまりに包まれ、シルエットになった光景に
子供をあやす母がいた
きっと、その膝の上に、何度も俺を抱いて
俺が笑うまで
寝付くまで
包んでくれたのだろう
見つめてくれていたんだろう
どんなに病気が進んでも、母は母
忘れないものだって、ある
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