2011年2月21日月曜日

嬉しい出来事

2歳年下の大事な弟がいる。
小さい頃は、いつでもどこでも一緒に過ごした。
俺が同級生たちと遊ぶ時も一緒に遊んだ。
だから、俺の友達はみんな弟のことを良く知っている。

俺が中学生になった時、親父が死んだ。
その時、弟は小学校5年生。

弟が想う親父の姿ってどんなだっただろう。
小学生の心にはどう映っていただろうか。

俺は高校を出るまで、よく弟を叱った。
親父がいないから、親父のつもりで、もっと男らしく、強く生きろって、そんなことを勝手に解釈して辛く当った。
俺自身、強い拳や力がほしくて、息巻いてたこともあって、殴ったりもした。

今思うと、親父はそんな人じゃなかった。
強かったけど、それ以上に優しかった。

ごめん・・・本当にごめん。

社会人になってからは、見方が違った。
俺はしがないサラリーマン。
弟は自分の腕一本で生計を立てている。
中学校の時からの夢を実現し、いまや売れっ子?漫画家先生。

嬉しかった。
弟が描く漫画の世界は、俺たち兄弟が小さい時に感じた世界観そのままだったから、なおさら、感動した。

周り皆に自慢した。
ウィキペディアにも名前が出てくる。
本当に凄い。

お袋が認知症で介護が必要になった時、俺は迷わず介護することを決めた。
弟が頑張っている道を阻みたくなかった。

わき道も振り向かず頑張ってほしかった。

でも、俺以上に、いつもお袋を心配してくれる。
俺にも気を使ってくれる。


弟のほうが、強くて優しかった。

いい歳になって、女っけもなくて、大丈夫か?
へんな漫画書いてないか?
なんて囁く声が聞こえたこともあった。

そんな時は、そいつらの口を俺が塞ぐ。
弟の生き方に、色々尾ひれつけたがる噂話は、俺が止める。

兄貴として出来ること。
弟の生き方を守ること。

そんな弟が今日、彼女を連れてきた。

とっても可愛くて綺麗な彼女だった。
紹介された弟の笑顔を見たら、涙がでた。

嬉しかった。
とっても嬉しかった。

認知症のお袋も、なんだか一生懸命台所でおもてなしの準備をしてくれた。
お袋も嬉しかったんだろう。

弟達の前に出してくれた、空のポットと猫の餌。

弟もまっしぐら

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